弊社では、「エントライ」を活用したクラウドファンディングによる資金調達に加え、書面を通じた匿名組合の私募・募集の取扱いや、信託受益権の販売など、事業者の資金調達ニーズに応じた多様な手法を提供しています。
「匿名組合契約は、当事者の一方が相手方の営業のために出資をし、その営業から生ずる利益を分配することを約することによって、その効力を生ずる。」
出資者(匿名組合員)は、事業の経営には関与せず、営業者が単独で事業を行い、その成果に応じて出資者に利益を分配します。
匿名組合の主な特徴は、出資者が営業に関与せず、かつ第三者に対してその地位が原則として明らかにならない、すなわち「匿名」である点にあります。また、匿名組合契約は、営業者と出資者という2者間の契約に限られ、複数の出資者がいる場合でも、営業者との間でそれぞれ個別の契約が締結される形になります。
さらに、複数の出資者がひとつの事業に資金を提供することで、営業者にとっては資金調達の選択肢が広がるとともに、複数の出資者に事業リスクを分散して負担してもらえるというメリットがあります。
プラスソーシャルインベストメント株式会社では、第二種金融商品取引業者として財務局に登録し、商法上の匿名組合契約によるファンドの組成・販売を行っています。
参考リンク
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
※ファンド持分:投資家が、その運用から得られる利益や財産の分配を受ける権利のこと
信託受益権の受託販売とは、信託契約に基づいて発生した信託受益権を、第三者(投資家など)に販売する業務のことを指します。 これは主に金融機関や証券会社、不動産会社などが取り扱い、金融商品取引法に基づく規制の対象となります。
匿名組合(書面)での取扱実績
匿名組合(書面型)における取扱実績 2025年4月末現在
トラストバンク阿久根 マイクログリッドプロジェクト
「エネルギーの地産地消」を叶える再エネ事業モデル
鹿児島県阿久根市が掲げる「ゼロカーボンシティ」の実現に向けた取組の一つとして、市役所と番所丘公園に太陽光発電施設を設置し、市役所をはじめとした6つの施設を自営線でつなぐことで、二酸化炭素の排出量を削減するとともに、平常時における給電と災害時の大規模停電に備える防災力の向上を図ります。
募集総額:2億100万円
資金使途:阿久根市マイクログリッドプロジェクトにおける太陽光発電設備設置にかかる費用の一部
▼書面を通じた匿名組合を採用した背景
トラストバンク阿久根 マイクログリッドプロジェクトでは、不特定多数から出資を募る投資型クラウドファンディングではなく、阿久根市や地元企業などを中心とした出資を前提としていました。
そのため、電子申込ではなく、書面による丁寧な対面・個別対応を通じて契約を結ぶ形式が適していると判断し、書面での匿名組合契約方式を採用しました。
Robo Co-op Empowerment Fund for Digital Inclusion
デジタルトレーニングによる難民のスキル習得機会の拡大
Robo Co-opは、世界中の難民や日本のシングルマザーと共に「コープ」による社会的連帯の中でデジタルのリスキルとIT案件の就労、そして当事者による民主的な経営を行う共同体です。5人1組のチームを作り、グループ学習でモチベーションを高め合い、現場で求められるチームワークを磨きながら就労機会に繋げています。
募集総額:1億円
資金使途:新たなプロフェッショナル人材の活用 、メンバーの労働環境の整備(PC購入・Wi-Fi整備) 、国内外の新たな拠点オフィス立ち上げ
▼書面を通じた匿名組合を採用した背景
本ファンドは立命館ソーシャルインパクトファンド(以下、RSIF)より出資を受けています。
RSIFは、学校法人立命館の100%出資にて設置された、社会的企業へ投資を行うインパクトファンドです。
Robo Co-opは一般社団法人で株式や債券の発行ができないため、RSIFからの出資を受けるにあたって匿名組合Robo Co-op Empowerment Fund for Digital Inclusion(以下、Empowerment Fund)を組成しました。
Empowerment FundはRobo Co-opの売上金額に連動して分配金が支払われるため、資金調達の際の事業リスクが出資者であるRSIFに分散されるメリットがあります。
また、資本性ローンの要件を満たしており、匿名組合は負債勘定に計上されますが、金融機関の融資審査においては、みなし自己資本と評価されます。このように資本性資金が供給されることで財務体質が強化され、今後の資金調達が円滑化する効果があります。
同スキームであればNPO法人への投資も可能です。
豊中市SIB とよなか卒煙プロジェクト
豊中市が豊中市在住・在勤者を対象に、喫煙や受動喫煙による疾病の予防と健康寿命の延伸を目的に禁煙の動機付けや禁煙指導を行う事業です。
本事業では、豊中市から委託を受けた株式会社キュア・アップが「ascure(アスキュア)卒煙プログラム」を提供し、テクノロジーの力で市民の禁煙を支えます。
キュア・アップ社が開発したアプリを使い、参加者ごとの禁煙の状況やその日の体調に応じてパーソナライズされたガイダンスを行うことで、ニコチンの心理的依存に対してその作用を発揮し、禁煙の活動に貢献することをめざします。
豊中市SIB B号受益権
募集総額:1,500万円
資金使途:喫煙を通じた喫煙者の疾病予防・および受動予防事業
▼信託受益権の販売受託
本事業は、行政や民間事業者及び資金提供者等が連携して、社会問題の解決を目指す成果志向の取組SIB(ソーシャル・インパクト・ボンド)で実施されました。
今回のケースでは、三井住友銀行と社会的投資推進財団が主な資金提供者となり、資金調達のために、SMBC信託銀行が信託機能を提供、弊社がキュア・アップは信託受益権の販売を受託しました。
中間支援組織としてプロジェクトの管理運営などの支援を社会的投資推進財団が担い、世界初の禁煙SIB事業となりました。