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Small talk ~紡ぐ~

投資型クラウドファンディングによる「社会的インパクト投資ファンド入門」セミナーを開催しました

202112221830分より京都経済センターにて、投資型クラウドファンディングによる「社会的インパクト投資ファンド入門」セミナーを開催いたしました。
当日は投資家と事業者の方を合わせて26名の方にご参加いただきました。

開催内容
日時 1222()1830分~2030
場所 京都経済センター 6-B会議室
参加費 無料
定員 30
主催 プラスソーシャルインベストメント株式会社
共催 合同会社社会的投資支援機構 米亨和公認会計士・税理士事務所
龍谷大学地域公共人材・政策開発リサーチセンター(LORC)
後援    京都北都信用金庫

従来は84名が入れる会場ですが、新型コロナウイルス感染症の影響により、半分の42名までと入場が制限されていました。そのため、スタッフや登壇者を含めると40名近くになり席数はほぼ埋まった状態となりました。

 

第1部

・社会的インパクト投資の潮流と、社会的投資プラットフォーム「エントライのご紹介」
プラスソーシャルインベストメント株式会社 野池 雅人


近年急速に、社会的インパクト投資という言葉が広まっています。社会的インパクト投資は、儲かるか、儲からないかという判断だけではなく、財務的リターンと並行して、ポジティブで測定可能な社会的及び環境的インパクトを同時に生み出すことを意図する投資です。投資判断は、リスク・リターン・インパクトの三次元評価に基づきます。その地域や日本にとってどのように良い影響が出るのか、リスク・リターンと同じ位置づけでインパクトを評価するものです。

インパクト投資の4要素は、GSG国内諮問委委員会によると、1.Intentionality(意図があること)2.Financial Returns(財務的リターンがあること)3.Range of asset classes(広範なアセットクラスを含むこと)4.Impact Measurement(社会的インパクト評価を行うこと)とされています。

インパクト投資やESG投資については、SmallTalkの記事で詳しく書いております。

社会的投資ファンドって??

SDGs/ESG金融とは??


GSG
国内諮問委員会によると、インパクト投資となりえるものの最大推計値は、26,400億円、アンケート調査では5,126億円、社会的インパクト評価の共有がされたものが3,287億円となっています。
インパクト投資機関は、政府系金融機関や都市銀行、財団、資産運用会社、ベンチャーキャピタル、保険会社など様々な期間が取り組まれています。


当社は、地域でインパクト投資により、地域の活性化であったり、地域の資金循環を生む事をミッションとして、ソーシャルイノベーションを誘発するようなお金の流れを創り出したいと思っています。
社会的投資プラットフォーム「エントライ」の運営から、立命館ソーシャルインパクトファンドの組成・運営や休眠預金の活用に至るまで、各地の中で活用できるように様々なファイナンスの仕組みを産官学金民連携で構築しています。
当社設立から5年間での資金提供の総額は約10億円となっています。
地域住民の方々、そのテーマに関心のある個人の方、地元の企業の方、SDGs等に取り組みたいという地域金融機関の方等が、エントライを通じて、地域事業者を社会的投資で応援することができます。

参加者の感想(アンケート回答より)

・初心者にとってもわかりやすいご説明でした。
・仕組みがよく分かりました。
・時代に合った投資で、これからも積極的に推進願いたい。
・社会的インパクト投資ということについてなんとなく聞いたことがある程度でしたが、SDGs持続可能な社会をつくる上で、この流れは必要なことだと実感しました。
・投資型クラウドファンディングは地域と人々を結ぶ、理想的な共感手法と思える。

・熊本フットボールセンター応援ファンド
株式会社熊本フットボールセンター 代表取締役 松下涼太氏


熊本県サッカー協会の中期目標は、「熊本県を全国で有数のサッカー王国に育てる」「フットボールセンターを建設」です。フットボールセンター建設は、これから20年への先行投資と考えています。人口減少による登録者数の減少は、協会収入の減少につながっており、補助金に頼らない運営を目指しています。施設不足により、事業計画を立てる上での課題となっています。現状維持では、遠くない未来に事業縮小、さらには協会運営がひっ迫する時期が来てしまいます。2015年施設整備補助金建設委員会を発足し進めてきましたが、2016年の熊本地震により、委員会活動は一時停止していました。2017年には活動を再開し、20213月には嘉島町と合同記者発表を行いました。


熊本地震ではスポーツ施設も被害を受けました。そんな中でも、スポーツを楽しむ子どもたち、大人たちが見受けられました。地震の被害により車で寝泊まりしている状態でも、ボールを蹴ってすごく笑顔でサッカーを楽しんでくれているなと思いました。地震が落ち着いて復興していく中で、私たちはサッカーを楽しめるいい環境を準備していきたいと考えています。

本事業は、嘉島町との官民連携事業として取り組んでいます。嘉島町には、用地の取得と造成を行っていただき、私たちは上ものである人工芝や建物を準備しているという役割です。
建築設計は熊本大学、TASS研究所に依頼し、デザインは小林一殻氏に依頼しています。

なぜ、今回ファンドという仕組みを使ったのかといいますと、このフットボールセンターをつくろうと思ったときに様々な方と連携が必要になります。これまでは、スポーツ界では協賛や寄付といった形がほとんどでした。どうしてもそれだと、1回だけの関係性で終わったり、継続性がなかったり、寄付したけれどそのあとの具体的なところは見せられてなかったなと思っています。
今回のファンドの仕組みを活用することで、事業の報告やつながりを継続的につくることができると思っています。

熊本フットボールセンター応援ファンドA号

熊本フットボールセンター応援ファンドB号

 

参加者の感想

・いちサッカーファンとして、全国に広げていただきたい取り組みだと思います。
・サッカー界のレベルUPにつながると思います。
・サッカーはこれからの環境活動等の拠点となり得るものであり、成功例になってもらいたい。
・とても素晴らしい取り組みだと思いました。
・投資家を動かす思いが基盤だと改めて考えさせられます。

 

・たんたんエナジー 自然の恵みの電気で子どもを育むファンド@福知山
たんたんエナジー発電合同会社 職務執行者 木原浩貴氏


私は気候変動の問題をなんとかしたいと学生の時から思い、それ以来温暖化防止、気候変動防止の取り組みを市民活動として仕事でやってきました。2003年から京都府地球温暖化活動推進センターを立ち上げ、京都府のパートナーとして、普及啓発や子ども達への環境教育を行ってきました。また、研究者しても海外の自然のエネルギーを手段として、自然の恵みのエネルギーを使いながら地域を元気にしている事例を研究しています。その背景に、どういう組織とか社会的基盤があるのかを整理したり、本を出版したりしています。
温暖化防止センターでは、家電省エネラベルや、京都府さん木材認証制度によるウッドマイレージの削減、学校給食や社員食堂での地産地消によるフードマイレージ削減などの取り組みを行ってきました。


日本が海外に支払ったエネルギー費用は2019年で年間17兆円あります。参考として、消費税総額23兆円、輸送機器輸出額18兆円、外国人観光客支出5兆円、GoToキャンペーン1.7兆円です。石油石炭を買うために、輸送機器輸出額と同じ程度の費用がかかっています。福知山市から流出するエネルギー費用は年間約200億円です。この現実をなんとかしたいと思っています。毎年かかっているこの費用を地域から出ないようにしたいというのが私たちの夢です。

オーストリアのフェルトキルヒ市では、Co2ゼロで運営されているコンサートホールがあります。2,000名ほど入れる施設ですが、駐車場が75台しかありません。足の悪い人は車でお越しいただき、それ以外の方は街を感じながら来てくださいとしています。隣には市民が出資した水力発電所があります。出資の配当も市民に支払われます。つまり、地域外に支払っていたエネルギー費用を無くし、行政と市民が連携しこのような仕組みをつくることで、その恩恵を地域にも還元できるものとなっています。収益の一部は公共交通費用に賄われています。「なるほど!これが地域のエネルギー事業か」と感じました。

福知山市における、再エネ地産地消の検討の経緯についてお話します。福知山市では、平成25年度「福知山市再生可能エネルギー活用プランとして、福知山市再生可能エネルギー活用調査会が取りまとめました。住民らが主役となる再生可能エネルギー普及の必要性が示され、具体的なプロジェクトして、公共施設の屋根を活用した市民協働発電事業等が盛り込まれました。

そして、平成29年度「福知山市における再生可能エネルギー事業の推進に関する提言書」を福知山市再生可能エネルギー事業化検討会議が取りまとめました。市が電力小売り事業に算入すること、卒FITの余剰電力等を購入して公共施設で活用するなどの取り組みを行うことを提言しました。

2019年には地域における地域貢献型再生可能エネルギー事業の推進に関する協定を福知山市、京都北都信用金庫、プラスソーシャルインベストメント株式会社、龍谷大学 地域公共人材・政策開発リサーチセンター、たんたんエナジー株式会社による5者が締結しました。
まず、福知山市の本庁舎、支所、公民館、小中学校、福知山城など40以上の施設に、実質再エネゼロ電力を供給しました。

今回のファンドでは、たんたんエナジー株式会社の100%子会社としてたんたんエナジー発電合同会社を立ち上げ、市民出資型発電所(+防災拠点づくり)を行います。11万円からの市民出資を募り、体育館、武道館、学校給食センターの3箇所に、合計約350kWPVを設置し、蓄電池やV2Bシステムを設置して地域防災力を強化します。
設備はたんたんエナジー発電が所有し、福知山市としては直接その電気が使用できますが、初期投資費用が発生しません。このオンサイトPPAの仕組みは環境省も推進しています。

たんたんエナジー 自然の恵みの電気で子どもを育むファンド@福知山

参加者の感想

・自治体とのコラボを実現されている事をすごいと思いました。
・仕組みがすばらしい。皆がしあわせになれると思う。
・これからの地域環境にとっても必要な取り組みだと思いました。
・市との提携でここまで作りこまれていることは素晴らしいと思います。もう少し詳しくお話を伺えたらと思いました。
・市民の資金で市が豊かとなる街づくりは共感が持てる。
・地公対の巻き込み方勉強になります。

第2部

・匿名組合の会計処理とファンド審査のポイントについて
米亭和公認会計士・税理士事務所 公認会計士 米亭和氏


匿名組合とはどのようにものなのか、商法の第535条から第542条に規定されている契約形態ということや、株式等他の有価証券との比較について説明がありました。

 匿名組合は、株式を割り当てることはありませんので、経営の自主性が重んじられることになります。銀行からの融資と異なり、返済義務があるわけではなく、毎月の返済があるわけではありません。匿名組合契約によって契約した事業売上の一定割合を決めたタイミングで分配することになります。

匿名組合については、こちらの記事でも解説しております。

社会的投資ファンドって??


審査に必要な提出資料やスケジュール、審査の項目についても説明がありました。
その後分配金の計算方法についても説明がありました。

 匿名組合の税務についてですが、匿名組合は法人格ではなく、また個人でもないため課税対象ではありません。匿名組合においては、営業者に対してパス・スルー課税が認められています。
パス・スルー課税についての説明は、株式の配当と匿名組合の分配金を比較した説明がされました。株式配当は税引き後の利益からの分配に対して、匿名組合は税引き前利益から分配し、利益の分配は損金計上されます。最後に、ファンドは資本制借入金としても組成可能であることを紹介しました。

参加者の感想

・分かりやすかったです。
・興味深い内容で参考になった。
・通常の投資との違いが分かりやすかったです。
・匿名組合という事に対し無知でした。パス・スルー課税については、なんとなく分かりましたが、まだ?です。すみません。

終了後は、参加されたみなさんで名刺交換をされ、しばらく交流タイムとなりました。
これまで個別のファンドの説明会は行ってきましたが、エントライの紹介や投資家と事業者の両方を対象にしたセミナーを開催したのは初めてでした。
今後もこのような形で、各地で社会的インパクト投資に関するセミナーを開催していければと考えております。


アンケート結果

 

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