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Small talk ~紡ぐ~

1. 団体設立、プロジェクトのこれまで

2019年4月13日

1. 団体設立、プロジェクトのこれまで

 − PS瀬戸内株式会社を作られるに至った経緯や、設立のきっかけを教えていただけますか?

石原:この何年かすごく力を入れてきたのが、社会課題の解決をその原因解消や解決の仕組みを作って取り組んでいくことです。例えば、不登校の課題も、その子が不登校になるのは様々なことが積み重なった結果である場合があります。心理的なことや親の離婚などその積み重なる様々な原因の解決を、様々な人や組織と「協働」で取り組んできました。

その例で言えば不登校になった子を支援するNPOの存在は大切ですが、その原因を解消しなくては、結果的に不登校になる子がずっと出続けてしまう。なので、その原因に係る組織を支援することで不幸が再生産されてしまうことを止める手立てを考えるということです。そこにはNPOだけでなく、例えば学習塾や就労支援など企業が事業として取り組んでいることも多分に含まれます。

その目線で見ると、世の中には行政で行おうとしていることと同じことを実現させるための取り組みを民間の事業者でやっていることがあって、それがうまく結びついていない、ということがあります。
例えば、今回のような健康づくりでも、行政は行政で体操を考案して普及させたりしている一方で、民間のダンススタジオに健康になろうと通っている人がいる。すでに民間で事業として行っているのに、そこにノウハウのない行政が何かを展開するより、民間の取り組みを公的なものだと定義づけてまとめる方がはるかに効率がいい。それも、単に社会貢献で出したものというよりは、社会的投資やソーシャルインパクトボンド(注1)のようなみんなで出資をして、資金も含めて経営としてうまくいくようにしていく。
これは、先の不登校の例のような様々な原因の解消や様々な面を包括的に解決していくというコレクティブインパクト(注2)のような取り組みにとても有効なんではないかと。

そこで大事なのはコーディネートをする機能。そこで、今回のプロジェクトも含めて、こうした包括的な取り組みを民間の事業者みんなでやっていくことを資金も含めて取り組む仕組みを作りたくて、設立に至りました。

(注1)社会的インパクト投資の仕組みの一つで、行政や民間事業者及び資金提供者等が連携して、社会問題の解決を目指す成果志向の取組のこと。SIB。
(注2)立場の異なる組織(行政、企業、NPO、財団、有志団体など)が、組織の壁を越えてお互いの強みを出し合い社会的課題の解決を目指すアプローチのこと。

 

PS瀬戸内石原さん PS瀬戸内株式会社は、コレクティブインパクトも含めてやっていくための機能として会社を作られたわけですけれども、NPOではなくて会社を選ばれた理由っていうのも、今の中に入っているということでしょうか。

石原:そうですね。やっぱりファンドを組成して出資を受けられる法人ということも考えると株式会社形態でやっていこうと思いました。
中小企業家同友会に岡山NPOセンターとして入れさせていただいているんですが、ここ数年、その青年部の仲間たちと例えば中山間地域の問題解決の事業なんかを、みんなで何かできるのではないかという話をしていて、その中で、新たに自分で会社を作った仲間もいます。
それは事業と課題解決の両立にとても可能性を感じることで、こういう人たちとみんなで出資していくというのも効果的だなと思ったのは大きいです。

 
NPOもやって、社団や財団もやって、今度は会社。という中で、まだまだ一般的にはNPOと会社は対極的なもののように見えている人も多いのではないかと思いますが、石原さんはどういう風に整理していますか?

石原:そうですね、でも法人格はあくまで道具なので、その事業の形態に合った法人格を使えばいいなと思っています。NPO法人だって事業としてうまくいかなきゃいけないし、株式会社だって非営利型で利益を社会貢献に回す組織もあります。
岡山NPOセンターも20数人の職員がいますし、雇用し経営しなきゃいけないのはどの組織も一緒です。今回はファンドで出資を受けるという機能のために「株式会社」だったということです。

今回の「岡山市SIB おかやまケンコー大作戦プロジェクト(以下「おかやまケンコー大作戦」は、様々な参加の仕方があるプロジェクトだと思います。サービスを提供する事業者として参加したり、参加者として参加したり、出資をしたり。それは法人格を問わず、そして個人でも法人でもできる。岡山NPOセンターもファンドへ出資して参加をしていますし、いろんな関わり方があっておもしろいのではないかと思います。


岡山NPOセンターというNPOが出資するというのも非常に珍しいチャレンジですよね。

石原:多くの企業が出資し、参加する中でそれも公平感があっていいんじゃないかなと思っています。もちろん、僕以外の理事で議決したことですが、岡山NPOセンターも目指す課題解決を今後もどんどんSIBみたいなのを使って、やっていければいいなと。
例えば、過疎の交通の問題をどうにかしようという場合に「じゃあ、みんなの集落研究所で出資しようか」とか、他のNPOでも手段として出資を選ぶのも一つの方法だと思います。

やっぱり今までのソーシャルビジネスは、結局は個のビジネスみたいな感じがあるのではないかなと思います。ベンチャー的だとは思いますが、個の人というか、一個の組織でやっているということに過ぎない。でも、「ソーシャル」ビジネス、やっぱり「社会ビジネス」ということなら複数の人で社会を変える、SIBみたいなもので出資しあうことで、その本義的なソーシャルビジネスになっていくのではないかと思っています。

PS瀬戸内石原さん

PS瀬戸内という名前に込めた思いを聞きたいのですが、今までの活動でいうと、岡山でされていたものをあえて瀬戸内としたこととか、PSも略称だと思うのでそのことについて教えてほしいです。

石原:「瀬戸内」という名前は、これまでの流れとか経験が大きく反映しています。岡山ではベネッセさんが直島などの離島の支援をされていますが、僕らも岡山の有人離島の犬島の支援をさせていただく中で、公益財団法人福武教育文化振興財団さんや公益財団法人福武財団さんとも関わらせていただいています。

岡山と香川の間には多くの島がありますが、「岡山」って行政区でひいた岡山でそれを分けるのもどうなのかと感じています。島の間は特に海があるだけで、この島が近いからこっちで、この島は遠いからあっちということでしかない。でも沿岸エリアや、岡山県内の流域エリアみたいな中国山脈に雨が降って流れつく先、というのは文化と経済のつながりがあり一環的にやることが大事なんじゃないかなと思っています。
SDGs(注3)にも含まれている海洋資源の維持を考えても、瀬戸内圏の人が繋がって、環境や暮らしを改めないと効果は出ないかなと思っています。

(注3)「持続可能な開発目標」の略称。持続可能な開発のための17の目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成された国際目標のこと。

 

PS瀬戸内石原さん

そういう意味では、「岡山NPOセンター」は岡山をドメインとする組織として「岡山」がついていますけど、「みんなの集落研究所」は、地名を入れていないです。みんなの集落だから集落としての関わりがあるところを基本的にはご支援したいと思っています。
やっぱり生活圏というか、その人の生活に関わることの要のところをお手伝いしたいと思っています。それと近い感じで経済や環境を含めた瀬戸内圏で「瀬戸内」と名付けています。
PSのPPlus(プラス)、SにはSocial(社会)、Solution(解決)、Sustainability(持続可能性)、という意味が込められています。

 

瀬戸内の海− 瀬戸内っていうことでつながれる新しいつながり感も出てくるのですね。生活圏というとちょっと広くなりますね。この瀬戸内になりますとね。

石原:ですです。みんなの集落研究所で最初に関わらせてもらったのが、県境に暮らしている人が普段の生活圏として、県境を越えた鳥取県の倉吉まで買い物に行ったりしているけれど、行政区が違うのでバスに乗れないとか医療費の支援が受けられないといった問題についてでした。
でも、こうした問題は民間では関係ない。民間の旅館のバスは、違う自治体の駅が最寄り駅だけど、そこまでお迎えに行くことができます。じゃあ、その迎えに行った帰りの部分で、高齢者の移動に使ってもらえるのではないかというような話を支援させてもらいました。
生活圏と行政区が必ずしも一致するわけじゃないですよね。そのときも中国地方の仲間たちと一緒にしたのですが、そういう境界を超えることは民間だからこそしなきゃいけないなと思っていたところもあるので。このPS瀬戸内でも、このあたりの方々は重要なステークホルダーになると感じました。


− そうですよね。なるほどなるほど。どうしても行政区はイコール生活区みたいな、なんとなくそれで収めたいところもありますけれど、それはあくまでも行政的単位ということでいくと、民間の発想で言えば、特に災害なんか起きた時にはそれらは行政区として大事だけれども関係ないっていうのは、今回の水害(2018年)の時でもまさにそうでしたか?

石原:ですです。水害があったときも本当にそうでした。河川決壊したところとかは、川の沿岸は言えば全部被害があったので。報道されていた真備町も結局は総社市とか隣のまちに近いところでしたから。
そういうことを考えると区域はあんまり関係ないことなので、一帯のご支援が必要なんじゃないかなと思ったところはあります。

 

2. プロジェクトの今」

 

プロジェクトの詳細は以下の募集ページに掲載しています。ぜひご覧ください。

【岡山市SIB おかやまケンコー大作戦プロジェクト プロジェクト概要】

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